高校無償化は2026年度から所得制限なし|申請期限・支給上限・対象外費用

先に結論:2026年度(令和8年度)から、高等学校等就学支援金の所得制限が完全に撤廃されました。ただし、対象になるのは授業料であり、入学金・教材費・制服代などは別途確認が必要です。
第1章 何が変わったのか — 所得制限撤廃の全体像

改正のポイント(施行日・所得制限撤廃の対象範囲の拡大)

2026年度(令和8年度)から、高等学校等就学支援金の所得制限が完全に撤廃されました。施行日は2026年4月1日で、この春から高校に在学するすべての生徒が、世帯の所得にかかわらず就学支援金の対象になります。なお、この記事で扱う「高校無償化」は、あくまで授業料を対象にした就学支援金の話です。入学金や教材費、制服代などは対象外で、無条件に高校生活全体が無償になるわけではありません(対象外費用は5章で扱います)。

ポイントは「撤廃された部分」です。従来は、世帯の所得(目安として保護者の年収約910万円)が一定額を超えると、公立高校相当額(年額11万8,800円)の支援すら受けられませんでした。この所得制限そのものは、実はすでに2025年度(令和7年度)から撤廃されており、2025年度時点で公立高校相当額については所得にかかわらず受給できる状態になっていました。

2026年度の改正で新たに撤廃されたのは、私立高校向けの「加算部分」にかかっていた所得制限です。従来、私立高校在学者への加算支給(上限は私立の平均授業料水準である年額45万7,200円)は、一定の所得基準を満たす世帯(目安として年収約590万円未満)だけが対象で、それを超える世帯は公立相当額の11万8,800円しか受け取れませんでした。2026年度からは、この所得基準もなくなり、私立高校に通う生徒であれば世帯の所得を問わず、上限45万7,200円までの支援を受けられるようになっています。

つまり「2026年度から所得制限なし」という見出しは、正確には「私立高校向け加算部分を含めて、就学支援金の所得制限が完全になくなった年度」という意味です。公立高校相当額はすでに2025年度から対象が広がっていたため、今回の変更で影響が特に大きいのは、これまで所得基準を理由に私立高校の加算支給を受けられなかった中〜高所得の世帯です。次の1-2では、旧制度との違いをより具体的に整理します。

出典: 高校生等への修学支援|文部科学省高校授業料無償化2026|所得制限撤廃・私立45万7,200円の支給額と申請方法|補助金ポータル

最終確認日: 2026年8月17日

旧制度との違い(2025年度の公立相当分撤廃と2026年度の私立加算分撤廃の位置づけ)

高等学校等就学支援金は、ここ数年で段階的に対象が広がってきた制度です。時系列で整理すると、次のように変化してきました。

時期公立高校相当額(年11万8,800円)私立高校加算部分(上限年45万7,200円)
〜2024年度所得制限あり(年収目安約910万円未満)所得制限あり(年収目安約590万円未満など、段階的な基準)
2025年度(令和7年度)所得制限を撤廃、全世帯が対象に引き続き所得制限あり
2026年度(令和8年度)〜所得制限なし(継続)所得制限を撤廃、全世帯が対象に

2024年度以前の制度では、世帯の「算定基準額」(保護者の課税標準額をもとに算出)が一定の水準を超えると、公立高校相当額の支援すら受けられませんでした。年収の目安でいうと、共働きか片働きか、扶養家族の人数によって基準が変わるため一律ではありませんが、おおむね年収910万円前後が公立分のボーダーライン、私立加算部分についてはさらに低い年収590万円前後がボーダーラインとして案内されるケースが多くありました。

2025年度に公立相当額の所得制限が撤廃されたことで、高所得世帯であっても「授業料が実質無償になる」対象に入りましたが、私立高校に通う生徒については、加算部分(差額分)を受け取れるかどうかがなお所得次第という状態が続いていました。2026年度の改正は、この「私立に通っていても、所得が高いと公立相当額しかもらえない」という状態を解消するものです。私立高校の授業料が高めであるほど、この変更による実質的な負担軽減額は大きくなります。

なお、支援金の使いみちが「授業料に充てる」という制度の本質は変わっていません。所得制限の有無が変わっただけで、対象外の費用(入学金・教材費など)や、原則として学校側が受け取り授業料と相殺する仕組みといった制度の骨格は従来どおりです。対象範囲の詳細は2章、支給上限額の詳細は3章で扱います。

高校の授業料支援以外にも、子育て・教育にまつわる給付金・支援制度は複数あります。利用できる制度を状況別に探したい場合は、給付金・支援制度の探し方|状況別に対象者・申請・期限・確認先を整理もあわせて参照してください。

出典: 高校生等への修学支援|文部科学省給付金・支援制度の探し方|状況別に対象者・申請・期限・確認先を整理|暮らし更新ノート

最終確認日: 2026年8月17日

第2章 自分の世帯は対象になるのか

対象となる生徒・学校の範囲

就学支援金は「高校生であれば誰でも」ではなく、対象となる学校の種類があらかじめ決まっています。文部科学省の案内によると、対象校種は次のとおりです。

  • 高等学校(全日制・定時制・通信制のいずれも対象)
  • 中等教育学校の後期課程
  • 特別支援学校の高等部
  • 高等専門学校(1〜3年生のみ。4年生以降は対象外)
  • 専修学校の高等課程
  • 専修学校の一般課程、または各種学校のうち、国が指定する「国家資格者養成課程」を置く学校
  • 海上技術学校

公立・私立を問わず、これらの学校種であれば就学支援金の対象になります。一方で、外国人学校(インターナショナルスクールなど、上記の学校種に該当しないもの)は原則として対象外です。ただし東京都など一部自治体では、文部科学大臣が指定する外国人学校を対象に含める場合があるため、該当する場合は在学する都道府県の案内を確認してください。

課程についても補足すると、全日制・定時制・通信制のいずれで通っていても対象になる点は共通ですが、3章で扱うとおり、課程によって支給上限額の計算方法(学年制か単位制か)が異なります。「うちの子は通信制だから対象外では」と思い込まず、まずは在学している学校が上記の校種に該当するかを確認することが第一歩です。

在学する生徒本人の国籍・在留資格についても、対象範囲があらかじめ定められています。「日本に住民票があれば一律に対象」という単純な基準ではない点に注意してください。2026年度の制度改正では、所得制限の撤廃とあわせて、対象者を次の範囲に整理する見直しも行われています。

  • 日本国籍を有する者
  • 特別永住者
  • 永住者の在留資格をもって在留する者
  • 「家族滞在」の在留資格者のうち、日本国内の小中学校を卒業・修了しており、かつ高校卒業後も就労して引き続き日本に在留する意思があると認められる者
  • 「日本人の配偶者等」または「永住者の配偶者等」の在留資格者
  • 「定住者」の在留資格をもち、永住する意思が認められる者

このように、在留資格の種類によって対象・対象外が分かれ、「家族滞在」等の一部の在留資格では追加の要件(小中学校の卒業歴、卒業後の在留意思など)を満たす必要があります。外国籍の生徒がいる家庭は、対象に該当するかどうかを自己判断せず、在学する学校を通じて確認することを強くおすすめします。

なお、上記で触れた「外国人学校」(インターナショナルスクールなど、学校教育法上の高等学校等に該当しないもの)は、生徒本人の国籍・在留資格を問わず、就学支援金の通常の枠組みとは別の扱いになります。文部科学大臣が指定する外国人学校を対象に含めるかどうかは自治体ごとの判断であり、経過措置として別制度が用意されている場合もあるため、該当する場合は在学する学校・自治体の案内を個別に確認してください。

出典: 高等学校等就学支援金の改正について|文部科学省高等学校等就学支援金(私立高等学校等)について|東京都生活文化局高等学校等就学支援金制度に関するQ&A|文部科学省

最終確認日: 2026年8月17日

所得制限撤廃で新たに対象になった世帯

2026年度の改正で新たに恩恵を受けるのは、主に次の2パターンの世帯です。

パターン1: これまで公立相当額しか受け取れなかった、私立高校在学の中〜高所得世帯<br>私立高校に子どもを通わせていて、世帯年収がおおむね590万円を超えていた家庭は、これまで加算部分(差額分)の対象外で、年11万8,800円の公立相当額のみを受給していました。2026年度からは所得を問わず加算部分(上限45万7,200円)の対象になるため、私立高校の授業料水準によっては、年間で数十万円単位の負担軽減になる世帯もあります。

パターン2: 2024年度以前は公立相当額すら対象外だった高所得世帯<br>世帯年収がおおむね910万円を超え、2024年度までは公立相当額の支援すら受けられなかった世帯です。この層は2025年度の時点ですでに公立相当額の対象になっていましたが、私立高校に通っている場合は、2026年度の改正でようやく加算部分も含めて満額の対象になります。

一方で注意したいのは、「対象になりうる」ことと「実際に満額を受け取れる」ことは同じではない点です。私立高校の加算部分は、実際に納めている授業料の額が支給上限(45万7,200円)に満たない場合、その学校の授業料実費が支給額の上限になります。つまり授業料が年40万円の学校であれば、上限いっぱいの45万7,200円ではなく、実費相当の40万円が上限です。「所得制限がなくなった=誰でも一律45万7,200円もらえる」という理解は正確ではありません。

また、すでに公立相当額を受給している世帯が自動的に加算部分の対象へ切り替わるとは限りません。多くの都道府県では、加算部分の判定にあたり学校を通じた再申請・情報更新が必要になる運用が想定されるため、「所得制限がなくなったから何もしなくてよい」と判断せず、在学する学校からの案内を必ず確認してください。申請の具体的な流れは4章で扱います。

出典: 高校授業料無償化2026|所得制限撤廃・私立45万7,200円の支給額と申請方法|補助金ポータル高等学校等就学支援金(私立高等学校等)について|東京都生活文化局

最終確認日: 2026年8月17日

第3章 いくら支給されるのか — 学校種別ごとの上限額

国立・公立・私立(全日制)の支給上限

以下は、2-1で扱った対象校種のうち、主に「高等学校」の全日制課程を対象にした支給限度額(年額)です。高等専門学校・専修学校・特別支援学校高等部など他の校種は、学校区分ごとに上限額が別途定められているため、本章の数字をそのまま当てはめず、公式資料や在学校の案内で個別に確認してください。

学校区分支給限度額(年額)月額換算
公立高等学校11万8,800円9,900円
国立高等学校11万5,200円9,600円
私立高等学校45万7,200円3万8,100円

公立・国立はほぼ同水準で、実質的に授業料が無償になる金額です。私立は上限額であり、2-2で触れたとおり、実際の授業料がこの上限を下回る場合はその実費が支給額になります。逆に授業料が上限を超える学校(都市部の一部進学校など)では、超過分は自己負担のままです。「私立でも無償化された」と誤解されがちですが、正確には「私立の平均的な授業料水準までは所得を問わず支援される」という制度である点を押さえておく必要があります。

支給方法にも注意が必要です。就学支援金は保護者に現金で振り込まれるのではなく、原則として学校が代理受領し、授業料と相殺する形で処理されます。そのため、家計としては「授業料の請求額があらかじめ支援金分だけ差し引かれた金額になる」というイメージが実態に近く、いったん全額を立て替えて後から還付を受ける仕組みではありません(学校によって運用が異なる場合があるため、詳細は在学校に確認してください)。

なお、東京都のように国の就学支援金(上限45万7,200円)に加えて、独自の上乗せ助成を行っている自治体もあります。東京都の場合、都の授業料軽減助成金(上限4万3,800円)と合わせて最大50万1,000円まで支援される仕組みで、都内の私立高校であれば実質的に多くの学校で授業料が無償になる水準です。こうした自治体独自の上乗せがあるかどうかは全国共通ではないため、在住の都道府県の教育委員会や私学担当窓口で確認してください。定時制・通信制の支給上限は3-2で扱います。

出典: 高等学校等就学支援金(私立高等学校等)について|東京都生活文化局高校生等への修学支援|文部科学省

最終確認日: 2026年8月17日

通信制・定時制の支給上限

定時制・通信制は、全日制と違い「月額・年額であらかじめ上限が決まる課程」と「履修した単位数に応じて計算する課程」の2つの計算方式が混在しています。この2つを分けて理解することが、金額を正しく読み取るポイントです。

(1)月額・年額で上限が決まる課程(学年制)

学年で区切って授業料が決まる「学年制」の定時制・通信制は、全日制と同じように年額(月額)の上限があらかじめ決まっています。

課程支給限度額(年額)月額換算
定時制(公立・学年制)3万2,400円2,700円
通信制(公立・学年制)6,240円520円

(2)1単位あたりで計算する課程(単位制)

単位制の学校は、履修した単位数に「1単位あたりの単価」を掛けて支給額を算定します。単価は公立・私立で異なります。

課程1単位あたりの単価30単位履修時の目安額
定時制(公立・単位制)1,740円5万2,200円
通信制(公立・単位制)336円1万80円
通信制(私立・単位制)1万3,668円(下記(3)の上限額を参照)

通信制は単位制で運営される学校が多く、実際の支給額は「単価 × その年に履修した単位数」で決まるケースが一般的です。私立通信制は単価が高いため、履修単位数によっては(3)で扱う年間の上限額に達することがあります。年間の履修単位数は学校・学年・生徒の履修計画によって異なるため、正確な金額は在学校からの案内を確認してください。

(3)単位制の課程に適用される上限額

単価による計算とは別に、単位制の課程には支給額の上限が設定されています。公表されている情報から確認できる範囲では、私立通信制の年間上限は33万7,200円です。就学支援金の告示にはこれとは別に「支給総額が137万1,600円を超えない範囲」という規定もありますが、この数字が1年度あたりの上限を指すのか、標準的な在学期間(3年間)を通じた累計の上限を指すのかは、公開されている一次情報だけでは断定できませんでした(私立全日制の年額上限45万7,200円の3年分に近い水準ではあります)。単位制の学校に在学する場合は、この点も含めて学校・都道府県に確認することをおすすめします。

(4)私立の学年制課程(参考)

学年制で運営される私立の定時制は、全日制と同じ年額上限45万7,200円が適用されます。

いずれの方式でも、実際に学校へ納める授業料が上限額を下回る場合は、上限額ではなく授業料の実費が支給額になります(3-1参照)。就学支援金の対象になるのは授業料のみで、教材費や施設費などは対象外である点も課程を問わず共通です。対象外費用の詳細は5章で扱います。

出典: 高校生等の修学支援(就学支援金制度等)の御案内|静岡県公式ホームページ高等学校等就学支援金の改正について|文部科学省高等学校等就学支援金(私立高等学校等)について|東京都生活文化局

最終確認日: 2026年8月17日

第4章 申請方法と期限 — 申請の落とし穴

e-Shienでの申請の流れと必要書類

就学支援金は、所得にかかわらず全世帯が申請の対象になりましたが、「対象になった=自動的にもらえる」わけではなく、原則として世帯ごとに申請が必要です。国はオンライン申請システム「e-Shien」を用意しており、多くの学校・都道府県がこの仕組みを使っています。

一般的な流れは次のとおりです。

  1. 入学時または進級時に、学校から「受給者番号」や「ログインID通知書」などのログイン情報が配布される
  2. 保護者(または生徒本人)がe-Shienにログインし、「受給資格認定申請書」をオンラインで入力・提出する
  3. 学校側が申請内容を確認し、都道府県へ取りまとめて提出する

2026年度からの変更点として、所得制限の撤廃にあわせて所得審査そのものが原則不要になりました。これにより、従来必要だったマイナンバーを用いた課税状況の確認が不要になるケースが増えていますが、必要書類は生徒本人の国籍・在留資格(2-1を参照)や、学校がオンライン申請(e-Shien)・紙申請のどちらを採用しているかによって異なります。「日本国籍なら住民票の写しだけで済む」のように一律に決まっているわけではないため、正確な必要書類はe-Shienの申請画面、または学校から配布される案内で必ず確認してください。

また、手続きの詳細(提出書類・提出方法・提出期限)は都道府県や学校によって差があります。東京都の私立高校の場合のように、国の就学支援金とは別に、自治体独自の上乗せ助成(3-1で触れた東京都の授業料軽減助成金など)を申請する際は、申請期間が「6月1日〜6月30日」のように独自に定められているケースもあります。オンライン申請(e-Shien)に対応していない学校や、紙の申請書での提出を選べる学校もあるため、必ず在学する学校からの案内に従って進めてください。

「所得制限がなくなったのだから、申請の手間もなくなったはず」と考えるのは早計です。申請自体は今後も必要であり、提出が遅れると受け取れる金額に影響することがあります。この点は4-2で詳しく説明します。

出典: e-Shienシステムについて|文部科学省高等学校等就学支援金(私立高等学校等)について|東京都生活文化局

最終確認日: 2026年8月17日

申請が遅れた場合に生じる自己負担期間

まず2026年度に申請する人が知っておくべきこと:文部科学省は、2026年度(令和8年度)については、5月以降に申請した場合でも4月分から受給できるよう弾力的に取り扱う方針を示しています。2026年度は所得制限撤廃にあわせた制度改正の初年度にあたり、これまで所得基準を理由に対象外だった世帯が新たに申請する必要があるなど、手続きが例年より集中することが見込まれるための措置です。2026年度に新規入学・在学する場合は、仮に申請が5月にずれ込んでも、4月分をあきらめる前にこの経過措置の対象にならないか学校・都道府県に確認してください。

通常年度の原則:この経過措置は2026年度に限った特別な取り扱いです。就学支援金の支給は、通常は「申請が学校に到達した月」から開始されるという運用が基本原則になっています。制度上、申請より前の月に遡って支給されるわけではないため、たとえば4月に入学したのに申請を6月まで忘れていた場合、4月・5月分は受け取れず、その間の授業料は通常どおり自己負担になる可能性があります。これが「申請期限」という言葉で語られる、就学支援金のもっとも実務的な注意点です。

ここで言う「期限」は、多くの制度にあるような「この日を過ぎたら二度と申請できない」という締切日というより、「申請が遅れた月数だけ、遡って支給されない自己負担期間が発生する」という性質のものです。申請できる期間自体がなくなるわけではなく、遅れて申請しても以降の月分からは支給対象になりますが、遅れた分を後から取り戻すことはできません。だからこそ「入学時・進級時になるべく早く提出する」ことが実質的な期限になります。

2027年度以降の取り扱いについて:2026年度の経過措置が翌年度以降も継続される保証はありません。現時点で公表されている情報からは、2027年度以降がどのような扱いになるかを断定できないため、2027年度以降に入学・在学する場合は、通常年度の原則(申請月からの支給開始)を前提としつつ、その年度の最新の案内を必ず確認するようにしてください。

提出が遅れそうな場合や、うっかり忘れていたことに気づいた場合は、自己判断で諦めずに、できるだけ早く学校または都道府県の窓口に相談してください。年度によって取り扱いが変わる可能性がある分野のため、正確な情報は在学する学校からの案内を最優先で確認することをおすすめします。

出典: 高校生等への修学支援|文部科学省高等学校等就学支援金制度に関するQ&A|文部科学省

最終確認日: 2026年8月17日

第5章 対象外の費用と、併用できる支援制度

支援対象外の費用(入学金・施設整備費・教材費・制服代・修学旅行費など)

就学支援金は、あくまで「授業料」だけを対象にした制度です。「高校無償化」という言葉から、高校にかかる費用が丸ごと無償になるとイメージされがちですが、実際には次のような費用は対象外で、保護者が負担する必要があります。

  • 入学金
  • 施設整備費・施設設備費
  • 教科書代・教材費
  • 制服代・体操着代
  • 通学費(定期代など)
  • 部活動費
  • 修学旅行費(積立金)
  • PTA会費

特に私立高校の場合、入学時にまとまった負担が生じやすい点に注意が必要です。入学金・施設整備費は学校によって金額の幅が大きく、一部の私立高校の例では両方を合わせて十万円台〜数十万円程度になるケースも報告されています。ただしこれはあくまで一例で、学校や地域によって大きく異なるため、この記事の数字を目安にするのではなく、志望校ごとの募集要項・納入金一覧で実額を確認することが重要です。確認する際は、次の3つを分けて把握しておくと比較しやすくなります。

  • 入学金(一度きり)
  • 施設整備費・施設設備費(学校により一度きり、または毎年発生)
  • 教材費・制服代など(在学中、毎年発生)

これらは就学支援金の対象外であるため、合格発表後の入学手続き期間中に一括で納付を求められるのが一般的です。授業料が就学支援金で実質無償になっても、入学時にはこれらの初期費用をあらかじめ準備しておく必要があります。

在学中も、教材費・修学旅行の積立金・部活動にかかる費用などは毎月・毎年発生し続けます。こうした費用は学校ごとに金額や徴収方法(毎月の口座振替、学期ごとの一括払いなど)が異なるため、進学先を検討する段階で、募集要項やオープンスクールなどで「授業料以外にいくらかかるか」を学校ごとに具体的に確認しておくことをおすすめします。

なお、これらの授業料以外の費用のうち一部は、次の5-2で扱う「高校生等奨学給付金」など、就学支援金とは別の制度でカバーできる場合があります。世帯の所得水準によっては、就学支援金と組み合わせて活用できる制度がないか、あわせて確認しておくと安心です。

出典: 高校の入学金と施設費はいくら?就学支援金の対象外を解説|がくシム高等学校等就学支援金制度に関するQ&A|文部科学省

最終確認日: 2026年8月17日

授業料以外をカバーする制度(高校生等奨学給付金など)

5-1で触れた入学金・教材費・制服代・修学旅行費などの「授業料以外の費用」を支援する国の制度として、「高校生等奨学給付金」があります。就学支援金と混同されがちですが、両者は別の制度です。

就学支援金高校生等奨学給付金
対象費用授業料のみ教科書費・教材費・学用品費など授業料以外
振込先原則、学校が受領し授業料と相殺原則、保護者の口座へ直接振込
申請システムe-Shien等(4-1参照)都道府県ごとの様式(学校経由で提出)

文部科学省の案内によると、2026年度(令和8年度)からは、この奨学給付金についても対象となる世帯が「年収約490万円未満」の世帯まで拡充されました。従来は住民税非課税世帯が中心だった対象が、一定の所得水準までの課税世帯にも広がった形です。支給額は世帯の所得水準(住民税所得割額)や、公立・私立、全日制・通信制、第何子かによって段階的に変わりますが、正確な金額はこの記事では扱いきれないほど区分が細かいため、当ブログの別記事「高校生等奨学給付金は2026年度に対象拡大|毎年申請・期限は都道府県別」で個別に整理しています。対象になりそうな世帯は、そちらもあわせて確認してください。

ここで押さえておきたい実務上のポイントは3つです。第一に、就学支援金を申請したからといって奨学給付金も自動的にもらえるわけではなく、別途申請が必要なこと。第二に、窓口は都道府県教育委員会が中心で、在学する学校を通じて申請書類を提出する運用が一般的なこと。第三に、一度受給が決まっても自動更新にはならず、原則として毎年度あらためて申請が必要なことです。「所得制限がなくなった」という報道は就学支援金についての話であり、奨学給付金の所得基準や毎年申請という運用が変わったわけではない点に注意してください。

出典: 高校生等への修学支援|文部科学省高校生等奨学給付金は2026年度に対象拡大|毎年申請・期限は都道府県別|暮らし更新ノート

最終確認日: 2026年8月17日

第6章 まとめ — 今すぐ確認すべきことチェックリスト

今すぐ確認すべきことチェックリスト

2026年度から高等学校等就学支援金の所得制限が完全に撤廃されましたが、「所得制限がなくなった=何もしなくてよい」わけではありません。最後に、保護者として確認しておきたいポイントをチェックリストで整理します。

  • 在学(進学予定)の学校が、就学支援金の対象校種(高校・中等教育学校後期課程・高専1〜3年など)に該当するか確認した(2-1
  • これまで所得制限で対象外だった、または公立相当額しか受け取れていなかった世帯に該当するか確認した(2-2
  • 自分の学校区分(公立・私立、全日制・定時制・通信制)での支給上限額を確認した(3-13-2
  • e-Shienでの申請、または学校からの案内に沿った申請を済ませた、または申請時期を把握している(4-1
  • 申請が遅れると、その分だけ支給されない自己負担期間が生じることを理解している(4-2
  • 入学金・施設整備費・教材費・修学旅行費など、就学支援金の対象外費用を別途見積もっている(5-1
  • 世帯の所得水準によっては、高校生等奨学給付金など併用できる制度がないか確認した(5-2
  • 在住の都道府県に、国の制度に上乗せする独自の授業料助成制度がないか確認した(3-1で触れた東京都のようなケース)

制度の骨格(対象校種・支給上限の考え方)は全国共通ですが、実際の申請方法・提出書類・提出期限は都道府県や学校によって異なります。この記事で扱った内容はあくまで一般的な仕組みの解説であり、個別の金額や手続きの最終確認は、必ず在学する学校または都道府県の教育委員会・私学担当窓口で行ってください。

制度は今後も見直される可能性があります。特に、都道府県独自の上乗せ制度は年度ごとに拡充・変更されることが多い分野です。進学・進級のタイミングでは、「昨年はこうだった」という情報をそのまま信じず、最新の案内を確認する習慣を持つことをおすすめします。

なお、高校の授業料以外にも、子育て・教育世帯が利用できる給付金・支援制度は複数あります。高校無償化にとどまらず、家計全体で使える制度を確認したい場合は、給付金・支援制度の探し方|状況別に対象者・申請・期限・確認先を整理もあわせてご覧ください。

出典: 高校生等への修学支援|文部科学省

最終確認日: 2026年8月17日